小刀称です。
民事信託は万能な財産管理方法ではありません。
民事信託は、信託契約の中で受託者の権限(信託目的)を定めます。
受益者である委託者が、受託者に意見をいえるうちは、問題はないかと思います。
しかし、判断能力が低下し、意見を言えなくなると、信託目的の範囲内であれば、受託者は自由に信託財産を管理処分することができます。
一応、信託監督人という監督制度もありますが、成年後見制度と比べて監督機能が弱いと思います。
民事信託は、信託目的・信託財産を適切にさだめ、委託者が最も信頼を寄せる人物を受託者にする必要があります。
受託者による管理が適切という前提にたてば、民事信託は、委託者の意向を反映し、税務・資産保全に柔軟に対応できるメリットが大きいと思います。
なお、民事信託は、不動産管理の目的以外にも事業承継・資産承継等様々な使い道があります。
おさらい:民事信託は万能な制度ではないが、運用によって、柔軟な不動産管理ができる。