小刀称です。
先日、久しぶりに民事信託案件がありました。
民事信託(家族信託)とは、特定の財産の管理処分権限を自分の信頼のおける人物に任せることです。
つまり財産管理方法の一つです。
ざっくりというと上のとおりとなりますが、財産管理であれば、成年後見制度を利用する方が良いのではないかという疑問がでてくるでしょう。
成年後見制度は、財産保全を念頭に裁判所の監督の下、後見人が本人の財産を管理するため、現状維持が原則です。
したがって、不動産等の重要な資産を換価する場合、裁判所との協議が必要となります。
不動産を売却するには次のような動機・理由があると思います。
【動機・理由】
①施設入所費捻出のため
②生活費の捻出のため
③物件管理ができないから売却したい
④税金対策のため、生前に売却したい
成年後見制度を利用しますと、上の①、②の理由であれば、裁判所が不動産の売却を了承する傾向が強いと思います。
しかし、③ですと、事情にもよりますが、売却理由としては弱いと思いますし、④については、成年後見制度の下では、論外です。
成年後見制度では、本人保護の観点から不動産の売却について判断が慎重になりやすい。
この問題を解消できるのが、民事信託を利用した不動産財産管理です。
おさらい:成年後見制度を利用した財産管理には資産売却に制約が多い。